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デジタル放送なんていらない -アナログサンセット-
放送などのコンテンツがデジタルになり、かつハイビジョンの美しい映像になると、コンテンツの提供者にとっては、その保護が最重要の課題となってくるらしい。
コンテンツの保護は、何よりも優先されている。ユーザーの使い勝手よりも。

B-CASカードのところでコピーワンス信号のことを触れたと思うが、
ハイビジョンの映像に関係する部分では、解像度制限も重要なポイントとなる。

最近HDMIという端子が搭載されているテレビが徐々に増えているのだが、別の見方をすれば、HDMI端子非搭載のテレビも多数存在することを表している。

HDMIというのは、HDCPというデジタルデータの著作権保護システムをサポートしているデジタルデータを送受信するための規格で、HDMI端子というのは、その規格に基づいて作られている端子だ。

うーん、話しが難しすぎる。
技術的なことを全部おいて、もう少し一般的な話しにしてみよう。
テレビを買うために量販店に行き、そこで店員さんから説明をしてもらう。店員さんがHDMI端子搭載のハイビジョンテレビを勧める場合、
・HDMIなら、ケーブル1本で、テレビとHDDレコーダをつなげられます。だから、配線もカンタンです。
・もちろん、地デジのハイビジョン映像もきれいに映ります。
・HDMIにしておけば、将来も安心です。

問題は最後の「将来的に安心」というところだ。裏を返せば、HDMI非搭載のテレビを選んでしまった場合、将来に不安を抱えることになる。

現在、地上デジタルチューナー搭載のテレビは、端子についていうと、
・HDMI端子搭載
・HDMI端子とD端子の両方を搭載
・D端子搭載でHDMIは非搭載
に分けられると思う。
D端子というのは、D1〜D5まであり、D3端子、D4端子では、有効走査線数1080iを扱える。つまり、ハイビジョン映像を映すことができる。
だが、D端子はアナログであり、違法コピーを有効に制御することができない、ということが一部では問題とされている。
つまり、D端子をこのまま野放しにしておいたら、ハイビジョン映像がコピーされまくる、とハリウッドを代表とするコンテンツプロバイダーが懸念しているのだ。

そして、AACS LAという団体により、次のような取り決めがなされた。
・AACSに準拠するすべての機器は、ICT機能に対応しなければならない。
・日本で販売するパッケージ・メディアについては、コンテンツ事業者は2010年まで ICT機能を有効にしない。
・2011年以降に製造する機器は、アナログ端子にはSDTV映像のみ出力でき、HDTV映像の 出力はできない。
・2014年以降に製造する機器は、HDTV、SDTVを問わず、アナログ端子に 映像を出力してはならない。

これも分かりにくい。
これも技術的なことを横におき、細かい話しを無視して具体的な例を挙げてみることにしよう。

2005年12月、
あなたは、暮れのボーナスをはたいて地上デジタル放送対応のデジタルハイビジョンテレビを買った。30万近くしたが画面もとってもきれいで大満足。

2006年6月、
あなたの趣味は映画鑑賞で、発売されたばかりのBDプレーヤを購入。
同時にBDの映画を購入した。ハイビジョン放送と同じように、映像は非常にきれい。
そこで、映画を1ヶ月に1本ずつ購入し、コレクションすることにした。

2011年6月、
5年使用したBDプレーヤが壊れてしまい、新機種に買い換え。
映画も同時に購入し再生してみたら、映像が美しくない。ちょっと前の映画のデジタルリマスター版だから、もともとの映像がきれいじゃないのかもしれない。
と、思って、他の映画を再生しても、やっぱり美しくない。
この映画は、前はもっときれいに映ってた。なんで?プレーヤだって最新のに買い換えたのに。

不満を抱えつつも、テレビはきれいに映ってるし、とくに何もせず、映画を見るときはちょっと汚いんだけど、と思いながら、時が経過。

2015年、
またBDプレーヤを買い替えた。
前回は変な機械にあたっちゃったけど、今度は大丈夫だろう、と、映画を再生しようとしたら

映像が汚いどころか、何も映らない。
これには、さすがに温厚、かつ、面倒くさがり屋のあなたも、メーカーに問い合わせをした。
このプレーヤー、壊れてる。何も映らない。

それに対し、メーカーの担当者は、プレーヤーとテレビを何で接続しているか(接続端子ね)とプレーヤーの製造年月日を尋ね、
あぁ、その組み合わせだと映りません。テレビを買い換えるしかありません。
と回答するだろう。


2011年にプレーヤを買い換えて画像が汚く見えるようになったのは、
「2011年以降に製造する機器は、アナログ端子にはSDTV映像のみ出力でき、HDTV映像の 出力はできない。」
が原因だ。
つまり、BDプレーヤは、この決まりにより、BDの高画質を、SDTVというあまり綺麗でない画質にわざわざ変換して出力する。

2015年にプレーヤを買い換えて、Blu-rayの映画がまったく映らなくなってしまったのは、
「2014年以降に製造する機器は、HDTV、SDTVを問わず、アナログ端子に 映像を出力してはならない。」

これを、「Analog Sunset」と言っているらしい。


テレビの購入を2005年末、と仮定した。たかだか9年で、映画の再生ができなくなる。
コンピュータをはじめとするデジタルの世界では、マシンを5年も10年も使うことなんて想定していない。
だから、2011年で低解像度、2014年で再生不可は、十分な猶予期間と考えているのかもしれない。

だが、家電製品は、5年10年使うのは当たり前だったはずだ。ましてや、デジタルハイビジョンテレビは数十万する。
それが、たかだが10年で映画の再生ができなくなるかもしれない、ということをきちんと説明して販売しているところがどれだけあるというのだ。

ま、この話しは、現時点で決定し公表されている事項だから、2011年なり、2014年の時点でD端子搭載のテレビが現役で頑張っていれば、変化するかもしれない。
家電リサイクル法みたいに。
  1. 2006/05/22(月) 12:29:34|
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